WRAP(ラップ:元気回復行動プラン)の力でうつ病と向き合う、体系編

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 概要

WRAP、ラップと読みます。以下の図に示した、単語それぞれの頭文字を並べたものです。日本語訳すると、「元気回復行動プラン」になります。

具体的にどのようなものなのか説明すると、自分が元気でいられるように、また、調子を崩した時に何かをする事によって元気を取り戻すというものを、自らに合った方法(WRAPでは道具といいます)を使って、精神的に安定している状態を維持していきましょう、という考え方です。この精神的というのが肝です。というのも、私の場合はうつ病ですが、それ以外の精神疾患の場合でも、とあるきっかけにより精神的に不安定な状態となり、その結果として身体的な症状が現れてくるものです。このため、精神的に安定している状態を維持するという事が必要になってくるのです。また、調子を崩した時でも、こうすれば精神的に安定した状態に戻せるといった考え方も含まれます。

このような事を実施するにあたっては、場当たり的では意味がありません。それぞれの時に応じたプランを考えておく必要があります。そして、このプランは、人それぞれ異なるものになる場合が多いです。と言うのも、精神疾患は人によって症状が異なり、体調を崩すきっかけも異なります。ですので、自分自身にあったプランを考えておく事が、WRAPを活用する上で重要になってきます。

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元気に大切な5つのこと

WRAPを活用していく上で、元気に大切な5つの事がについて解説します。尚、本記事では大枠について述べていますので、詳細については以下の記事を参照して頂ければ幸いです。

WRAP(ラップ:元気回復行動プラン)の力でうつ病と向き合う、元気に大切な5つのこと

①希望の感覚

希望の感覚がないと、出口のないトンネルをさまようのと同じです。そういう意味では、リカバリーへの鍵になると言えます。希望というと、もの凄く壮大なものをイメージするかもしれませんが、些細な事でも構いません。例えば、何年も先の将来を考えるのではなく明日の事を考える、といった感じです。

ポイントは、こうであれば元気になれる希望がある、目標に向かって一歩ずつ進んでいる、という考え方が重要です。

②自分が主体となること

一般論として、自分の人生でも、自分が主体となる事は、なかなか難しいものです。しかし、WRAPの主人公は自分自身になります。そのため、人生という壮大なテーマを扱うというより、この点については人生の中でも自分自身が主体となるという考え方が必要です。何よりも、自分の事は自分自身がわかっています。つまり、自分自身の専門家は自分そのものです。

ポイントは、「自分で選択する」という事を自ら判断する事です。これにより、健康や生活に対しても主導的に出来るのと、そのような判断に責任を持つという事が重要です。

③学び

「自分で選択する」という事を自ら判断するに当たっては、様々な事を学ぶ必要があります。学ぶ事によって、とるべき選択肢も増えていきます。また、自分自身の事もより深く知るきっかけにもなります。自分が主体となって学ぶ事により、自分にとって何が重要なのか見えてきます。その結果として、自分が何を望んでいるのか、理解を深める事が出来ます。

ポイントは、自分自身を知るという行為は、受動的ではなく能動的に行うという事です。

④自分のために権利擁護をする

「権利擁護」という聞き慣れない言葉が出て来ました。この言葉は介護等で使われる用語になります。WRAPにおいては、権利と擁護を切り離して考えてから、繋ぎ合わせた方がしっくりくるかと思われます。つまり、権利を侵害からかばい守る、という考え方になります。これでもまだわかりにくい表現ですね。

先述では、自分が主体となるという事について触れました。とは言え、自分ひとりではどうにもならないがあるのも事実です。そうなると、相手という第三者が現れます。ここで、自分はこうなんだ、今こういう状態だからどうして欲しい、といった事を訴える場面もあります。これが、WRAPでいう権利擁護だと考えております。

ポイントは、自分で得た権利を如何にして擁護するか、という事です。

⑤サポート

WRAPでいうサポートとは、お互いの力になる関係性を作るという考え方になります。自分が主体となるためにサポートを受ける事は勿論、自分もまたサポートをする事が大切になります。

ポイントは、お互い様の感覚、という事になります。

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WRAPの実践方法

ここまで述べてきな内容は、WRAPを活用していく上で必要不可欠な事です。こういった考え方をベースに、実際に活用していくための方法を述べていきます。詳細については以下の記事を参照して頂ければ幸いです。

WRAP(ラップ:元気回復行動プラン)の力でうつ病と向き合う、実践編

①元気に役立つ道具

自分が元気でいられるようにする、または調子を崩した時に何かをする事によって元気を取り戻すために使うものを、WRAPの世界では道具といいます。これらの道具は、先述の「元気に大切な5つのこと」をベースに、自分の中に落とし込んだものになります。

この道具は、人によってもシーンによっても様々なものがあります。例えば、写真、音楽、ポエム、等々。

②いい感じの自分を知る

この後に述べる様々なプランを考える前に、まずはいい感じの自分がどういう姿なのかを知っておく必要があります。どういう状態が自分にとって理想なのかをイメージしてみます。体調だけでなく、考え方や感じ方もイメージします。イメージが難しい場合、調子の悪い感じから、それの裏返しを連想するといいかもしれません。

③日常生活の管理プラン

日々いい感じの自分であり続けるために意識して実施すべき事をプランニングします。

④引き金とプラン

引き金とは、これが起きる事によって心身に不調をきたしたり、精神的に安定している状態を保てなくなる要因を指します。何が起きると精神的に安定出来なくなるのか、それが起きてしまった場合にどうすれば乗り越えられるのかをプランニングします。

⑤注意サインとプラン

いい感じの自分と何か違う、そう感じている時は、注意サインが出ている時かもしれません。意識していないと見逃してしまうようなケースもあります。このような時に備えて、こういうサインが出たら注意だなとか、こういうサインが出たらこうしよう、といった事をプランニングします。

⑥調子が悪い時のプラン

注意サインを通り越して明らかに調子が悪いという時に備えたプランニングをします。

⑦クライシスプラン

調子が悪いを通り越して、他者のサポートが必要な状況に陥った時に備えたプランニングをします。また、この状態になると、セルフケアそのものが成り立たなくなると思われます。このような状況下では、医療機関を受診するといった事も視野に入ってくると思われます。

⑧クライシス脱出後のプラン

クライシスな状況を脱したとしても、すぐにいい感じの自分に戻れるという訳ではありません。このため、順調な回復に向けてのプランニングが必要となります。

注意点

WRAPはあくまでいい感じの自分を維持するための1つの考え方に過ぎません。このため、治療の代わりになるものではありません。医師による適切な治療を受けつつ、心身の安定に向けたセルフケアの一助として活用するようにして下さい。

終わりに

WRAPについて、体系的な内容を述べました。それぞれの内容についても抽象的な表現になってますが、これらについては別記事で投稿していきます。

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